森林が持つ多面的機能

 森林の機能は主に8つあると言われています。亀山市の森林は総面積の約63%を占めその多くが源流域にあります。そのたくさんある森林とどうかかわっていけばいいか、保全したり活用したりするための情報を集めました。また、源流協議会で出た意見もまとめました。

※以下の記述において、出典が付された記事以外の基礎知識的な部分については『森林生態学 持続可能な管理の基礎』(藤森隆郎2006年)よりまとめています。より詳しい内容や科学的な根拠となる各論文、出典はそちらを参照ください。

図は林野庁ウェブサイトより〈https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/30hakusyo_info/index.html
解説は平成25年森林・林業白書より〈https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/25hakusyo/pdf/5hon1-1.pdf

森林の土壌はよくスポンジに例えられる。落ち葉、腐葉土、土、礫、それらの隙間に雨水を蓄えられ、地下を少しずつ移動し伏流水や河川として流れることにより水質を浄化したり洪水を緩和したりする

亀山市森林整備計画において、鈴鹿川・加太川・安楽川、そして中ノ川の源流域は亀山市の「水源涵養機能を維持増進するための森林施業をすべき森林」としてゾーニングされています。

亀山市における給水は、人口 49,700人、1日最大給水量 30,900 m3 /日 で計画されていて、この源流域を水源として地下水 9 箇所、表流水 1 箇所、伏流水 1 箇所から取水・配水されています。さらに下流の鈴鹿市や津市でも伏流水が利用され、最終的には海と海の生き物に水や養分を運んでいます。

公共用水域における「水質汚濁に関する基準のうち生活環境の基準」は、①ヤマメやイワナ等の水産生物への適応 ②取水時にろ過等簡易な浄水操作への適応 ③自然環境探勝への適応 を示す類型で、AA、A、B、C、D、Eの類型があります。鈴鹿川・安楽川はAAの類型に指定されています(中ノ川はB)。Aは水道水質基準で最も適応性があるということになり、AAはそれに加えて自然環境保全が認められると判断されているものです。

亀山市森林整備計画、源流域の水源涵養機能ゾーニングについては三重県ウェブサイト〈https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000904753.pdf

水質については亀山市ウェブサイト〈http://www.city.kameyama.mie.jp/soshiki/seibun/kankyo/kansou/docs/2020091800011/

 樹木の根は、土砂や岩石等を固定することで土砂の崩壊を防ぐ。また、森林の表土が下草や低木等の植生、落葉落枝に覆われることで雨水等による土壌の侵食や流出を防ぐ。

亀山市森林整備計画において、源流域は「水源涵養」とならび「災害防止・土壌保全機能」を維持増進するための森林施業をすべき森林としてもゾーニングされているエリアです。

近年、異常気象が相次ぎ豪雨による土砂災害、停電など間接的直接的な自然災害が増えています。亀山市では、過去に起きた風水害履歴を踏まえ科学的見地に基づいて土砂災害警戒のため各区域が指定されており、今後その区域において警戒し行動していく指針となっています。

亀山市森林整備計画、源流域の水源涵養機能ゾーニングについては三重県ウェブサイト〈https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000904753.pdf

亀山市防災安全課防災安全グループウェブサイト

https://www.city.kameyama.mie.jp/shisei/2014112307580/chiiki_bousai.html

そもそも土壌は、樹木の根に水や養分を届けたり樹木が土中に根を張り巡らせて地上部を支えたりするため、山が崩れることを防ぐ一定の機能を備えているといえます。しかし土壌保全が大切なのは山崩れ防止のためだけではありません。土壌は、生物が生息し落葉落枝などとともに分解され養分が生成する場です。生物活動が活発になると土壌構造が豊かになり、保水能力や窒素やミネラルなどの養分が豊かになります。また、土の上に積もった状態だと分解が進まず二酸化炭素を貯蔵する場でもあります。(藤森2006 P116)
 ただし源流域の山々は基本花崗岩地帯で風化土壌であり透水性が良すぎて保水性は必ずしも高くありません。また、針葉樹人工林である時期が長く手入れが進んでいない森林は広葉樹ほど落下物の多様性や土壌の構造が豊かではないので真砂土がさらさらと流出しやすい状況です。

岩の上を流れる源流の水
切り株になった樹木でも、弱まってはいくが土や石を留める力をもつ
さらさらで踏みとどまるのが難しい

 

 森林は多種多様な樹木や下層植生等で構成され、希少種を含む多様な生物の生育・生息の場を提供している。

なぜ生物多様性は重要なのか:
 「現在の生態系においてわれわれが目にする多様な生物の姿は、それぞれが長い地球環境と生物活動のやり取りの歴史の所産であり、生物間の相互作用の歴史の所産でもある。生物多様性は過去の生態系から現在の生態系に至る長い歴史を通して形成されてきたものであり、人間が誕生し、生存してこられたのも生物多様性に支えられた生態系のおかげである。生物多様性の低下は、生態系復帰可能性を低下させ、健全な生態系の持続を損ねることになる。」
 「生物間の相互作用や生態系の仕組みは非常に複雑であり、わかっていないことが多い。そのため生物種の絶滅が進んだり、生物種の分布域や生息密度の偏りが大きくなるなどすると、われわれの生活環境がどのような影響を受けるかを予測することは困難である。したがって、予測しにくく、マイナスの可能性の高いことは避けるべきである。一度失われた遺伝子は取り戻すことができないし、崩壊した生態系を回復させることは困難である。生態系の復帰力を失わせるような人為的インパクトは避けなければならず、生物多様性の保全は生態系維持のために重要なことである(鷲谷2001)。」(以上『森林生態学 持続可能な管理の基礎』(藤森2006年 P66)

生物多様性保全の意義:
 1)長い地球と生物の進化の歴史を通して偶然の積み重ねによって形成されてきた生態系の中に生きる多様な生物種を、新しく登場してきた人間という一つの種が、その都合のためだけに、わずかな時間で多くの種を絶滅させてもよいのかという生物学的倫理観が必要である。
 2)人間の根源的生活基盤である生態系は、他の生物とともに共有しているものである。その生態系を構成している生物種を失うと、どのような不都合が人間生活に及ぶか分からないため、生物種の絶滅は防ぐべきである。
 3)人間生活にとって、どのような遺伝子が将来役に立つか分からないので、生物多様性の保全は重要である。
 4)人間は多様な生物に接することによって、感性や想像力が高められ、生物多様性は文化の根源として重要である。

(藤森2006年 P84)

ブナ林で知る地球温暖化:

 

『鈴鹿山系朝明川源流域ブナの生態学的調査(第2報)四日市大学環境情報論集181号別冊20149月発行』保黒時男・千葉賢

 ブナは冷温帯を代表する落葉広葉樹で通常日本海側に多く分布します。鈴鹿山脈は温暖な太平洋側に位置しますが、野登山、鎌ヶ岳、御在所岳、釈迦ヶ岳などの寒冷で多積雪部高標高域にはまとまって分布しています。亀山市では野登山のブナ林が知られていますが、御在所岳北部朝明川流域の伊勢谷には鈴鹿山脈内で最大のブナ林があります。最源流部の「ブナ清水」はブナ林床の土壌に雨が浸み込み、時間をかけて湧き出してきたものです。ブナ林はそこに生息する生物量の多さから母なる森と呼ばれていますが、林床のスズタケ(笹)の衰退が顕著なためこれによるブナ林への影響と温暖化の及ぼす影響が心配され、四日市大学や地元高校の教員・学生、地元団体が約20回、延べ300人近く参加し調査が行われました。最終的にブナの分布や更新状況など3362本の全個体調査で得られたデータをまとめ2度の報告が出されています。

 その報告によると、調査地のブナの分布下限は標高730mで標高950mあたりに最も分布し冬は寒さの厳しい凍てつく環境が生育適地と考えられます。調査・分析の結果、もっとも個体数が多いのは第二次大戦前後に実生更新したものでグラフからは40年未満の低樹齢の個体数が0であることが読み取れます。

 今後の生育状況が気になりますが、調査結果からの予測では、グラフの生育地で年平均気温に着目しが今より1℃上昇すると調査地がブナの適地の境界線に重なるようになり、2.5℃上昇すると調査地だけでなく鈴鹿山系全体がブナの適地外になるとのことです。

 「今回の全個体調査及び関連研究により、調査地のブナ林の生態学的な特徴がかなり明らかになった。このブナ林については日本海側タイプの侵入が推定され、これには遺伝学的な調査が必要である。鈴鹿山系の他のブナ林も加えた系統学的な研究が行われることで、日本海側から三重県側に連なるブナ林の相互関係や生態学的な特徴や温度耐性等が明らかになり、それはブナ林の保全や地域の生態系保全に役立つと考えられる」(保黒・千葉2014)

四日市大学ウェブサイト
https://www.yokkaichi-u.ac.jp/news/2010/20101125.html

 森林の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収し炭素を貯蔵することにより地球温暖化防止に貢献している。

 地球温暖化について知るためにはまず地球の歴史から:

 地球の歴史は今から46億年ぐらい前に始まったと考えられています。当初、生物による光合成が始まるまで大気成分の90%以上は二酸化炭素で酸素はほとんどありませんでした。二酸化炭素の温室効果で地表温度は200°C以上だったと考えられています。
 今から27億年ぐらい前に、ラン藻という生物が現れ、現在の植物と同じように水と二酸化炭素を使って光合成を行い(有機物を生産しながら)酸素を出すようになります。ラン藻の光合成活動により二酸化炭素濃度が低下し酸素濃度が上昇しオゾン層が形成されます。ラン藻の遺骸は鉱物質とともに海中に堆積して石灰岩となって炭素がその中に隔離されます。そのことが大気中の二酸化炭素濃度をさらに大きく下げる理由となりました。(藤森2006 P56-58)

 

 単細胞から多細胞、植物と動物に分化しながら原生生物・高等生物へという進化を経て、コケ類が現れ海から陸へ進出します。今から4億年ぐらい前は二酸化炭素濃度が現在の15倍くらいで、その後原生的なシダ植物が上陸し時を経て丈20~30mを超す巨大な植物へと進化します。石炭紀と呼ばれる3億年ぐらい前の大気は今よりも10倍ぐらい高い二酸化炭素濃度で、シダ植物は旺盛な成長を遂げ最も栄えます。巨大なシダ植物の森林が形成され植物の光合成生産量は有機物分解量をはるかに上回っていました。また、シダ植物を含む当時の生態系にあった生物遺体はそれを分解する微生物の進化がまだ十分に進んでいなかったことにより化石化が進んだと考えられています。そのようなことから、大気中の炭素(二酸化炭素)の多くは化石として生態系から隔離され大気中の二酸化炭素濃度の減少を促進させました。(藤森2006 P59-64)
 その後二酸化炭素濃度は、気候や大陸構成の変化、生物の進化に伴って増減しながら現在に至ります。

在生じている地球温暖化について:

 「地球温暖化の原因は、本来の生態系の中へ温室効果ガスの二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロンなどが人為的に多く放出されるようになったことにある。過去1万年ぐらいに限ってみても、今世紀中に予測されている気温の変化より大きな自然力による変化は起きているが、現在の人為による温暖化の速度は過去の自然による気候変動の速度に比べてあまりにも急激である。」(藤森2006 P440)
 IPCC(気候変動枠組み条約政府間パネル)2001ワーキンググループⅠ・Ⅱにおいてその急激な環境変化は生態系のバランスを崩し様々な不都合を引き起こすと予測されています。
 二酸化炭素排出の最大の原因は、上記の地球の歴史石油、石炭などの化石をエネルギーとして使用するとともに、石灰岩をセメントに加工しているためです。これらの物質は、地球の長い歴史を通して生命活動により二酸化炭素が生物体に固定・貯蔵され、それが化石となって生態系の循環システムから隔離されてきたものです。この、現在の生態系の循環から隔離されていた化石物質を大量に使い、それによって排出された二酸化炭素は現在の生態系の中では循環しないので、大気中に累積し始めました。それが地球温暖化の原因とされています。(藤森2006 P441-442)

より詳しいメカニズムは『森林生態学 持続可能な管理の基礎』(藤森隆郎2006年)参照

 健全な森林は、気温や湿度等を適度なものとするほか、強風やこれに伴う飛砂及び塩分、騒音、塵埃等から農地、道路、鉄道、住環境等っている

 クロマツは海岸でよく見られ、海や湖からくる強風をやわらげ農地や道路、住環境など生活地に砂が移動するのを防いでいます。

山の木々は気象の変化に伴って蒸発散を繰り返すことにより湿度を調節しています。

熱いさなかに樹木が落とす陰は気温と日差しを和らげほっと一休みできます。

それは魚たちも同じです。このような林は渓畔林、魚付林と言われています。

 

 森林は、健康の維持・増進やレクリエーション活動の場としても重要な役割を果たしている。

 

… 一般的な事例 …

大自然の中で、公園で、街路樹で、癒してくれる木々。

都市部の住民にとっては余暇を過ごす選択肢となり、地域にとっては都市部からの訪問者を招き入れる機会となります。

 

〈滞在〉ホテル・旅館・ゲストハウス・農家民宿などの宿泊施設の他、グランピング、オートキャンプなど様々な形態があります。

「焚火」や野外での調理がキャンプの魅力となっている

 

〈滞在の内容〉

アウトドア体験として

海なら釣りやサーフィン、ダイビング、シーカヤックなど、

水量の多い川なら、キャニオニング、サップ、ラフティングなど、

多雪地域ならスキー、スノーボード、スノートレッキングなどなど。

源流域にはそのようなアクティビティは適さないので山でのアクティビティなら、

登山、ロッククライミング、ボルダリング、トレッキング、ホーストレッキング、フットパス、

マウンテンバイクやファットバイクによるサイクリング、セグウェイによる移動、

ツリークライミング、ジップライン、バンジージャンプ、

里山の暮らし体験、星空ツアー、自然観察、動植物の観察・・・

また、森林浴や森林セラピー、森林の中でヨガをする、音楽を演奏するなども人気です。

フィトンチッドやマイナスイオンなど森林の持つ成分や効果はもちろん、新鮮な空気のなか呼吸し体を動かしながら五感を通じてリフレッシュし癒されます。

 

… 鈴鹿川等源流域の森林や渓谷では …

〈滞在〉いくつかの自然体験向きの宿泊施設があります。

加太の森テラス
石水渓体験施設
鈴鹿馬子唄会館

〈滞在の内容〉都市部からのアクセスの良い亀山市の源流域河川は、ワンデイトリップの対象となりやすく、日帰りで渓谷を訪れる人々でたびたび交通渋滞が起きるほど人気です。

 渓谷では、夏場の渋滞を解消しつつ訪問者の需要に適した体験が提供できないでしょうか。
 また、レジャー施設や器具を使ったアウトドア体験も良いですが、鈴鹿川等の源流域では、水源涵養や土壌保全など様々な観点に配慮した滞在の仕組みが必要ではないでしょうか。そして今まだ残っている郷土の住空間や風土食などを大切にし体験化していくことが似つかわしいのではないでしょうか。

山岳では、トレッキングや初心者にぴったりの登山ルートもあれば、本格的な登山知識や装備が必要なルートもあり、個人で出掛けるより安全でより深く楽しむことができる観光ガイド、山岳ガイドの利用などが考えられます。

H31年度の協議会議事録より 鈴鹿川等源流協議会の役員から出た実施済みを含むアイデア・課題

―アイデア-

[観光資源系]野登山頂のお寺/ミツマタの紙漉き/棚田灯りイベント/池干し/池干し後の鯉料理/会故の森に人が来るしくみ/源流域を体験ミュージアムに/歴史的資源と語り部

[動植物系]ブナ林/シャクナゲ・ドウダン・ミツマタの群生地/マツタケ山/1年を通じ順次花咲く

[自転車・ツーリング系]サイクルルート、サイクリングコース、バスとウォーキングの併用、ウォークラリー、駐輪スタンド設置等の検討

[産業系]耕作放棄地/ため池・田の維持管理能力がなくなってきた/太陽光パネルと作付けを同時に/高付加価値の地元木材需要活性化

[参画企業より]企業の地域活動として大義名分になる/地元職員が家族参加できる内容・できる範囲で例えば「企業農園」など1年の楽しみにしては/企業工場地内の保全に協力

―課題-

オーナー制度のように資金があっても人がいないから管理ができない/企業とのタイアップは難しい/時節柄冬の利用が少ない

 深い理解とともに・お膳立てはなるべく少なく・心躍る!非日常性を源流域の森や川で!

 森林は、新緑や紅葉等四季折々に私たちの目を楽しませてくれるだけでなく、史跡や名勝等と一体となって文化的価値のある景観や歴史的風致を構成し、文化財等に必要な用材等を供給する機能がある。

 亀山市には、まだあちこちに城下町や宿場町あり、古い社寺・旧家が残っており、借景となる山々や木材でしつらえた建物が日本らしい文化・景観を伝えます。お年寄りから大事なことを聞き取り丹念に取材してまとめた記事には歴史博物館やウェブサイトを通じて触れることができ、今ある断片的な風景の中でひと昔前の地域ではどのようなものを食べ、どのような道具を使って働き、どのような住まい方だったのか知ることができます。そして、それらが、これから生きる私たちや子孫が地域のたからである資源をどのように活用していくか考える貴重な資料となります。

風景に人の営みが加わると「文化」であるようです。

坂下では牛の首木など農耕用具を製作・販売し、市の内外で使われていたようです。

人の営みが失われて自然となった風景には哀愁が含まれます。

 木材には山菜・きのこ等林産物を産出する機能がある。古来、森林から得られる木材を、建築、土木、造船、 おけ ・樽、家具など、様々な用途に使ってきた。数十年前までは、主に里山林の広葉樹を燃料材(薪炭材)として利用しており、下草や落葉落枝も農業用肥料として利用してきた。現在でもスギやヒノキ等の国産材は主に建築用材として利用されている。また、近年は木質バイオマスが再生可能エネルギーの一つとして注目されている。

 

 

 

 木材は一般的に建築用材として使われます。育ちが良く価値の高いA材は構造材などに使い、B・C材は合板工場へいくなど木材の部位や育て方やその価値などにより使い道は様々です。

園舎  <亀山東ようちえん>

小学校の内装  <亀山市井田川小学校>

店舗

ご家庭の内装

 

 

 

 若齢林の間伐材や採材した先端は足場丸太や杭など建設現場でも使われます。
また、海ではカキの養殖用筏にも若いヒノキの丸太が使われます。

 

 

 

 生活のあらゆるものは木で作れます。家具、雑貨、身の回りのものが職人技に頼れば一生ものどころか代を渡って使えます。自分で作ってみるのもよしです。材料としての木は、山のものから庭木まで適性と方法があえば大方はものづくりに使えます。古くなっても味わい深く、削りなおしたりオイルを塗り直したりすることで新しさを蘇らせることも可能です。スプーンなどは逆に「消耗品」のような使い方になりますが、使えなくなっても次の資源としての循環が続きます。

スプーン/お皿/バターナイフ/お箸・・・

便利な機械はいろいろありますが、小刀使いからが始めの一歩。

手づくりで窪みをつくるのは大変です。 器は「刳り物」といって大概は機械を使います。

電動式の機械が一般的ですが木でできた足踏みのろくろなどもあります。

 木材は、手を動かしながらデザインを考えたり形作ったり場合によっては色付けしたり異素材とコラボレーションしたり、創造性が豊かです。
 つくる過程を楽しむ余裕がほしいものです。

欅の化粧台 漆仕上げ<亀山市 虎三家具>

製作途中のイチョウボード

 

 

 

紙は木からできています。山から運ばれてきた木がまずチップになり製紙工場に運ばれます。
亀山市立野登小学校では地元で採れたミツマタの木から卒業証書を手づくりします。

ミツマタの花

紙漉きの様子

 

 

 

 木は優秀なエネルギーでもあります。育ちが良く価値の高いA材は木材として利用し、B・C材以下は工場へ出荷され木材として利用する場合や、梢端や切り株などとともにバイオマスとして出荷される場合があります。建築や建設土木で長く使ったあとに燃料として利用するとさらに効率的です。

―地域レベルのエネルギー源として―

三重県最大級の木質バイオマス発電用に集積された木材

木材をとった残り。燃料にする前にまだ何かに使えそうです。

ー 家庭レベルのエネルギー源として ー 

薪/薪ストーブ

ペレット/ペレットストーブ

 ペレットは、木質燃料の場合チップにしたあと圧縮して形成するので樹種を選ばず多様な木で製造できます。灯油ファンヒーターに灯油を注ぎこむように木質ペレットを注ぎます。薪ストーブはなかなか設置しにくい都市部向けの木質エネルギーです。余談ですが草やコーヒーかすなどでも製造できます。

ロケットストーブ と スウェーデントーチ

木をそのままエネルギーとして使うので一番ロスが少なくいずれも煮炊きができます。

災害時用に備蓄しておくのもひとつの考えです。